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中国の旅

中国の少数民族を訪ねて(2)

親切に感謝!

  私は『少数民族のふるさと』と呼ばれる貴州省の省都貴陽市から、トン族に会うために凱裏行のバスに乗るのを、間違えて江口行に乗ってしまった。
 バスの行き先にも切符にも「凱裏」という文字がなく、内心焦った。そこで車掌に「凱裏へ行きたい」と筆談で言うと、彼女は「わかっている」という表情をしたが、不安が残った。バスは高速道路を走行中だ。しばらくして、親切な乗客が「凱裏の街はあそこに見える」と教えてくれるので、まもなく下車だなと思う。 バスの中が急に騒がしくなり、乗客と車掌との間で、激しいやりとりが交わされた。そのうち乗客の1人が「このまま終点の江口まで行かないか」としきりに誘ってくる。でも私は「凱裏に行くのだ」と主張する。そこでまた車内で論争が始まる。残念ながら、何が話されているのかまったくわからない。
 バスはインターチェンジで凱裏方面に降り、料金所でお金を払い、私はT字路でバスから降ろされ、待たされた。そのうち、地元のバスが来て、乗せられ、「私のバス代」を車掌が払ってくれた。そして、彼らは再び高速道路に戻って行った。私は別なバスの中で、やっと事の成り行きがわかってきた。
 つまり、バスは、高速道路上で、途中下車の乗客を降ろすことになっているが、言葉もよくわからない私の様子を見ていた乗客たちが「そこに放り出すのはかわいそうだ」と、車掌に文句を言った。その結果、「私をきちんと送り届けよう」と、何とバスごと途中下車をしたのだ。その上、凱裏行きのバスに乗せ、バス代までも払ってくれた。
 私のミスから始まったことだけに、ほんの偶然でめぐり会った中国の人々に感謝の一言に尽きる。
 それにしても、彼らの対応は、なんと、ほのぼのと、暖かいのだろうか、と思った。
                    柳田 常樹

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